シンフリーサーバーでSFTPを使おう

こんにちは、鈴木はるかです。
今回は、シンフリーサーバーでの便利な裏技をご紹介します。

シンフリーサーバーは、その名の通り無料で利用できるレンタルサーバーです。
10GBの容量があり、WordPressも使用可能で、広告表示もなく、速度も速いという、魅力的なサービスです。
ただし、デメリットもあります。電話などのサポートは期待できず、何か問題が発生した場合、自分で解決できるスキルが必要です。
また、現在は他社サーバーで運営中の独自ドメインからの移転のみ、無料でアカウントを作成できます。
(2025/9/5 段階で新規申し込み停止状態)

それでは、シンフリーサーバーでSFTPを使う方法を説明します。

SFTPとは何か?

SFTPは、公開鍵を使用したセキュアなファイル転送プロトコルです。
正確には「SSH File Transfer Protocol」の略で、管理コンソールなどで使われるSSHを基盤にファイル転送を行います。
シンフリーサーバーでは、管理コンソールのためにSSHが用意されています。

SSHの接続機能についてをご覧ください。
これはFTP専用に用意されたものではありません。

なぜ、FTPのために用意されている訳では無いと断言するのか?
理由は、FTPを行うためにFTPポート(21番)も準備しているからです。
FTP仕様一覧

では、なぜFTP over SSL(FTPS)より、SFTPをおすすめするのでしょうか?
次項でそのメリットを解説します。

SFTPを使用するメリット

SFTPとFTPSの違いを、以下に表でまとめました。(便宜上、FTP over SSLをFTPSと表記しています。)

機能 SFTP FTPS
パスワード 不要 必要
海外アクセスブロック 可能 不可能
ロボットによるアタックの可能性 10022ポート(低い) 21ポート(高い)
セキュリティ強度 高い 低い

決定的なメリットは、パスワード管理が不要になる点です。
SFTPでは、サーバー側に登録する「公開鍵」と、クライアント側(自分のPC)だけで保持する「秘密鍵」のペアで認証します。
この仕組みにより、パスワード攻撃のリスクが大幅に減り、現在の技術ではほぼ破られないセキュリティを実現します。

また、使用ポートが10022番のため、標準の21番ポートよりアタックを受けにくく、海外からのアクセスをブロックする設定も可能です。
(もちろん、必要に応じて解除できます)
これにより、FTPSよりもはるかに高いセキュリティレベルが期待できます。

では、実際に設定してみましょう。

WinSCPをインストールしてみよう

SFTPを利用するには、対応したソフトウェアが必要です。
おすすめはWinSCPです。

まず、ダウンロードページから最新版をダウンロードします。

セットアップの指示に従い、日本語でインストールしてください。
設定は後で変更可能なので、すべてデフォルトで進めましょう。
インストール後、自動起動して設定画面が表示されたら、一度「閉じる」を押して終了させておきます。

シンフリーサーバーを設定しよう

公開鍵と秘密鍵のキーペアについて、簡単に説明します。

  • 公開鍵:サーバー側に登録する鍵。公開しても問題ありません。
  • 秘密鍵:クライアント側(自分のPC)のみに保存する鍵。絶対に公開してはいけません。

公開鍵と秘密鍵は、ペアになっておりどちらかを無くしてしまうと、全く使い物になりません。
再度キーを作成する必要があります。
今回は新しくキーペアーを発行するところから、案内しますので安心して下さい。

まず、サーバーパネルを起動して下さい。

シンフリーサーバーパネルでSSHのキーペアーを作成
シンフリーサーバーパネルでSSHのキーペアーを作成

①②③④と押すだけですね。
これでどこまで出来るかというと

1)公開鍵/秘密鍵の作成
2)公開鍵をシンフリーサーバーのSSHに使用できるように登録
3)秘密鍵をダウンロード

ということで、全部できます。
自分のPC内のダウンロードフォルダに秘密鍵がダウンロードされます。

自分のアカウント名.key

というファイルができます。
どこにいったか分からない場合は Windows+Rキーを押し
%USERPROFILE%\Downloads
↑これをコピーして貼り付けて実行すると、ダウンロードフォルダを表示します。

あとは、この秘密鍵を分かりやすいようにWinSCPのプログラム領域にコピーしておきましょう。
念のためご自分のなくしてはならないファイルとして、保存しておいても良いでしょう。
保存場所はデフォルトでインストールしているなら以下になるはずです。
%LOCALAPPDATA%\Programs\WinSCP

WINSCPを設定しよう

サーバーパネルを見ながら、WINSCPの設定画面を起動します。

サーバーパネルのFTPソフト設定の画面を開く
サーバーパネルのFTPソフト設定の画面を開く

閉じていたWINSCPを開きます。
開くと自動的に、設定画面が表示されます。

WINSCP設定画面
WINSCP設定画面

転送プロトコルはSFTPを選択します。
ホスト名、ユーザー名は、サーバーパネルからコピーします。
ポート番号は10022です。

入力が終わったら、①の設定ボタンを押します。

次のような画面が表示されるので、順番通り
認証→三点リーダーをクリックします。

WINSCP鍵認証画面の設定
WINSCP鍵認証画面の設定

三点リーダーをクリックすると、保存している秘密鍵の場所を聞いてきます。
そこで、さきほど保存してあったフォルダのkeyファイルを指定します。
パスは以下をコピーしてEnterを入力すると良いです。
なお、ここで聞いてきているのは「PuTTY」ファイルなので、*.keyを指定しないと表示しません。
%LOCALAPPDATA%\Programs\WinSCP\*.key

秘密鍵の場所を指定
秘密鍵の場所を指定

ユーザ名.key

のファイルを指定すると以下の画面を表示します。
ここは、説明を省略しますがそのままOKを押せば良いです。

あとは設定を保存して、接続してみましょう。

あらふしぎ、FTPの接続ができました。
(初回は、鍵交換の確認がでてくるのでOKを押す)

ということで通常のFTPとは違い、サーバーのルートトップまで行けますので
ディレクトリ構造の把握に最適です。

もし、戻れなくなったらお家のマークを押すと、最初のパスに戻ります。

ということで、お疲れ様でした。

P.S.おまけ
もし、FTPを使用せずSFTPのみで良いという方は以下のように設定すると
シンフリーサーバーの内部から(ファイルマネージャ等)しかアクセスできなくなるので
信頼性が高まります。

これでは、シンアカウントが破られてしまうとファイルマネージャで侵入されるので
IPアドレスを8.8.8.8(GoogleのDNS)などに指定しておくと、Google社員以外が侵入不可能です。
もっともシンアカウントが破られると、SFTPの設定なども変えられるので意味はないですが。
とりあえず、ローカルアドレスにしておくだけで、セキュリティレベルははるかに向上します。

FTPSの接続制限を適用(ローカルネットワーク以外を拒絶)
FTPSの接続制限を適用(ローカルネットワーク以外を拒絶)

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